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研修アンケートをAIで分析する方法|自由記述を次回改善につなげる

研修アンケートを読んで終わりにしないために。AIで自由記述を分析・分類し、次回改善メモへ変える考え方と注意点を整理します。

17分で読めるコレダケAI編集部

結論

研修アンケートをAIで整理するときは、回答をそのまま要約させるより、満足点、分かりにくかった点、次回改善、講師確認に分けると、実務に使いやすい改善メモになります。

Googleの2026年7月7日の案内では、Fill with Gemini(Google Sheetsのセル入力を補助する機能)で、文章の要約、分類、感情傾向の整理を進められることが紹介されています。日本語は7月7日に追加された言語ではなく、従来からの対応言語として記載されています。

この記事で得られること

  • 分析前に決める目的と判断事項が分かる
  • 研修アンケートをAIに渡す前の整え方が分かる
  • 自由記述を次回改善へつなげる分類軸が分かる
  • AIの分類が妥当か抜き取り確認する方法が分かる
  • 点数と自由記述を分けて読む理由が分かる
  • 少数意見や厳しい意見を落とさず扱う方法が分かる
  • SheetsやGeminiを使うときの注意点が分かる
  • 入会後にコレダケAIで深掘りできる範囲が分かる

目次

導入

研修アンケートは、集めただけでは改善につながりません。自由記述を読んで、なんとなく「良かった」「難しかった」で終わってしまうと、次回の資料や進行に反映しにくくなります。

AIを使うと、回答の分類、要点整理、改善案のたたき台、講師への共有文を短時間で作れます。ただし、個人が特定される情報や少数意見の扱いには注意が必要です。

また、満足度の平均が高くても、一部の受講者が重要なつまずきを書いている場合があります。件数の多さだけでなく、内容の重大さと改善可能性を分けて読む必要があります。

この記事では、人事・研修担当者が入会前に知っておきたい、研修アンケートの自由記述をAIで分析し、改善メモへ変える基本を整理します。

1. 分析目的と次に決めたいことを明確にする

アンケート分析で最初に決めるのは、AIへ何をさせるかではなく、結果を使って次に何を判断するかです。目的が「感想を短くする」だけでは、要約はできても研修の改善につながりません。

知りたいこと見る材料次に決めること
研修内容は適切だったか理解度、難易度、自由記述残す章と直す章
実務へつながったか活用場面、試したいこと、障害事例や演習の追加
運営に問題があったか時間、会場、配信、案内教材以外の改善
重要な懸念がないか安全、制度、配慮、個人情報担当部署への確認
分析目的と判断事項の対応

誰がいつ判断するかまで決める

分析結果の読み手が講師なのか、人事責任者なのか、経営会議なのかで必要な粒度は変わります。次回研修の一週間前までに講師が資料修正を決める、月次会議で追加研修の要否を決める、というように、読み手、期限、判断事項を一組にします。

分析対象外も先に決める

回答者個人の評価、少人数部署の順位付け、医学・法務上の断定など、アンケートだけで判断しないことも明記します。AIの出力範囲を決めておけば、回答から読み取れない原因まで推測し、強い結論にしてしまうことを防ぎやすくなります。

2. アンケートをAIに渡す前に整える

研修アンケートをAIに渡す前に個人情報を伏せて質問ごとに整理する図
AIに渡す前に、個人情報を伏せ、質問ごとに回答を分ける。

まず、AIに渡す前に回答データを整えます。研修名、実施日、対象者、質問項目、自由記述、満足度などを分け、個人名や不要な個人情報は削ります。

  • 個人が特定される名前や所属を伏せる
  • 質問項目ごとに回答を分ける
  • 点数評価と自由記述を混ぜない
  • 研修目的と対象者を添える

この前処理があるだけで、AIの要約はかなり実務に近づきます。逆に、回答を雑に貼るだけだと、改善に使いにくい一般論になりがちです。

自由記述から名前を消しても、少人数の部署名、具体的な案件名、固有の役職が残ると個人を推測できる場合があります。匿名化は名前を削るだけでなく、組み合わせると誰か分かる情報まで確認します。

項目残す内容外す・置き換える内容
研修情報研修名、目的、実施日不要な社内管理番号
回答属性分析に必要な大きな区分氏名、連絡先、少人数の所属
点数回答質問名、尺度、回答値未回答を一律に0へ置換しない
自由記述質問ごとの本文個人や案件を特定できる表現
AIへ渡す前のデータ整理

未回答、該当なし、0点は意味が異なります。AIへ渡す前に値の意味をそろえ、欠けている回答を低評価として扱わないようにします。

参照元:個人情報保護委員会「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等」

3. 感想を4つに分類する

研修アンケートの自由記述を4分類する図
自由記述は、良かった点・分かりにくかった点・追加希望・講師確認に分ける。

自由記述は、良かった点、分かりにくかった点、追加してほしい内容、次回改善の4つに分けると見やすくなります。件数だけでなく、少数でも重要な意見を拾うことが大切です。

分類見る内容次の使い道
良かった点継続したい内容次回も残す部分を決める
分かりにくかった点説明不足、用語、時間配分資料や進行を直す
追加してほしい内容深掘り希望、実例希望次回テーマ候補にする
講師確認事実確認や判断が必要な意見講師・責任者へ共有する
研修アンケートの分類軸

AIには、単なる平均点よりも、この分類表を作らせるほうが実務で使いやすくなります。

一つの回答に複数の内容が含まれる場合は、無理に一つへ決めません。「説明は分かりやすかったが演習時間が短い」という回答なら、良かった点と改善点の両方へ記録します。

分類名だけを並べるのではなく、該当件数、代表的な意見、担当者の確認が必要かを一緒に残します。件数が多い意見と、件数は少なくても安全や制度に関わる意見を同じ基準で並べないことが大切です。

4. Sheetsで扱うときの注意点

アンケート結果をGoogle Sheetsで管理している場合、Gemini in Sheets(Google Sheets内のAI支援機能)のような表計算支援は便利です。2026年6月18日には、表全体の作成・編集支援が日本語を含む28言語へ広がりました。6月22日には数式エラーの説明と修正式の提案、7月7日の案内ではFill with Gemini(セル入力を補助する機能)による文章の要約、分類、感情傾向の整理が紹介されています。Fill with Geminiの日本語対応は7月7日より前から提供されていました。

これらの機能には対象プランがあり、利用者側でGoogle Workspaceのスマート機能を有効にする必要があります。管理者設定や段階的な公開によって画面に表示される時期が異なる場合もあるため、自社の契約と設定を確認してください。

参照元:Google Workspace Updates(日本語でのSheets作成・編集支援)

参照元:Google Workspace Updates(数式エラーの説明と修正)

参照元:Google Workspace Updates(Fill with Gemini)

ただし、AIが提案した分類や数式は必ず確認します。特に、回答件数、除外条件、自由記述の引用、個人が特定される表現は、人事・研修担当者が確認する必要があります。

最初は、元の回答列を上書きせず、分類結果、要約、確認状態を別の列へ追加します。元データを残しておけば、AIの分類が不自然だったときに回答本文へ戻れます。

入れる内容確認ポイント
分類良かった点、改善点、追加希望など複数分類が必要か
短い要約回答の意味を一文で整理断定や意味の変更がないか
重要度候補高、中、低の仮分類件数だけで決めていないか
確認状態未確認、確認済み、要相談担当者の判断が残っているか
Sheetsで追加する列の例

感情傾向の整理は便利ですが、否定的な言葉が必ず重要な改善点とは限りません。反対に、穏やかな表現でも重大な問題を示している場合があります。最終判断では元の回答と研修の状況を確認します。

関連記事:Geminiは仕事で何が得意?Google Workspace派のAI活用入門

5. 分類結果を抜き取り確認する

AIの分類を使う前に、一部の回答を人が読み、分類名と要約が元の意味を保っているか確認します。全件を同じ深さで見直せない場合でも、無作為に選んだ回答、長い回答、複数の意見を含む回答、担当者確認へ分けた回答は確認対象にします。

確認するもの見るポイント問題があった場合
分類元の回答と分類が対応しているか分類定義と例を見直す
短い要約重要な条件や否定が消えていないか要約の長さと必須項目を直す
複数分類一つの回答の良い点と改善点を残せたか一つだけへ分ける制限を外す
重要度候補件数だけで高低を決めていないか影響度と確認要否を分ける
分類結果の抜き取り確認

修正率を記録して分類基準を直す

確認した回答のうち何件を直したかを残します。修正が同じ分類へ集中するなら、AIの性能だけでなく分類名の曖昧さが原因かもしれません。「改善点」と「追加希望」の境界など、迷いやすい例を分類定義へ追加します。

件数は表計算、意味の整理はAIに分ける

回答数、割合、平均などの正確な集計は、範囲を確認した表計算の数式で行います。AIは自由記述の分類や要約候補に使い、数値の計算結果と文章の解釈を分けて保存します。こうすると、分類を修正したときも件数を再計算しやすくなります。

関連記事:AIに任せてよい仕事・任せてはいけない仕事の分け方

6. 次回改善メモへ変える

研修アンケートから次回改善メモを作るチェックリスト
分類した回答を、次回資料・講師確認・次回テーマへつなげる。

整理した結果は、次回改善メモに変えるところまで進めると価値が出ます。おすすめは、すぐ直すこと、講師に相談すること、次回テーマに回すことの3つに分ける形です。

  • すぐ直すこと: 資料の順番、用語説明、時間配分
  • 講師に相談すること: 難易度、演習量、事例の選び方
  • 次回テーマに回すこと: 追加講座、フォローアップ、応用編

公開記事ではここまでの全体像にとどめ、実際の回答データを使った依頼文や改善メモのひな形は、会員向け記事で深掘りします。

改善メモには、直す内容だけでなく、なぜ直すのか、誰が確認するのか、いつまでに行うのかを残します。「説明を分かりやすくする」だけでは次回も同じ状態になりやすいため、「専門用語の前に一枚の例を追加する」のように変更箇所が分かる形にします。

項目記録する内容
根拠どの質問や回答から出た改善か
変更内容資料、進行、演習のどこをどう直すか
担当修正する人と確認する人
期限次回研修の何日前までに確認するか
確認方法修正後に何を見て完了とするか
改善メモに残す項目

7. 点数と自由記述を分けて読む

満足度や理解度の点数は全体の傾向をつかむのに向き、自由記述は理由や具体的な場面を知るのに向きます。どちらか一方だけでは、なぜ評価が高いのか、どこでつまずいたのかを判断しにくくなります。

見るもの分かりやすいこと分かりにくいこと
点数全体傾向、回ごとの差、質問別の偏り評価理由、具体的なつまずき
自由記述理由、場面、追加要望、感情全体にどれほど多いか
両方を組み合わせる傾向と理由のつながり回答していない人の状況
点数と自由記述の役割

たとえば満足度が高くても、「実務で使う場面が分からない」という意見が複数あれば、研修体験は良くても業務への接続が弱い可能性があります。逆に点数が低くても、会場設備や開催時間が原因なら、教材だけを直しても改善しません。

AIには点数と自由記述の対応を整理してもらい、相反する結果や説明できない差を候補として出してもらうと、担当者が確認すべき箇所を絞りやすくなります。

8. 少数意見と厳しい意見を落とさない

AIで多数意見を要約すると、数の少ない意見が短く扱われることがあります。しかし、安全、ハラスメント、差別、アクセシビリティ、制度の誤りに関わる意見は、一件でも確認が必要です。

  • 安全や健康に関わる指摘
  • 個人情報や機密情報の扱いに関する指摘
  • 差別的・排他的に受け取られる表現
  • 制度や法令の説明が違うという指摘
  • 受講上の合理的な配慮に関する要望

こうした意見は自動で重要度を決めず、「担当者確認」へ分けます。回答者の特定につながる引用は避け、必要に応じて人事、法務、情報管理などの担当部署へ確認します。

厳しい表現を単に否定的な意見として片づけないことも重要です。文章の強さと、指摘内容の正しさは別に見ます。感情の分析は優先順位を決める補助にとどめ、事実確認を省かないようにします。

9. 共有レポートにまとめる

講師や責任者へ共有するときは、全回答の要約だけでなく、次に何を決めたいかが分かる順番にします。最初に結論、次に根拠、最後に対応案を置くと、会議で判断しやすくなります。

順番内容読み手が判断すること
1. 結論継続する点と優先して直す点どこから対応するか
2. 根拠点数傾向、分類件数、代表意見判断に十分な材料か
3. 対応案すぐ直す、要相談、次回検討担当と期限をどうするか
4. 留意点少数意見、未回答、確認中事項追加確認が必要か
共有レポートの基本構成

代表意見を載せる場合は、個人が特定されない形へ言い換え、元の意味を変えていないか確認します。刺激の強い意見だけを選ぶと全体像が偏るため、件数と選定理由も添えます。

AIが作った共有文は、結論が強すぎないか、少数意見を全体意見のように書いていないか、講師個人への評価へ寄りすぎていないかを確認します。

10. 回答から改善メモへ変えるミニケース

ここでは架空の新人向け業務研修を例に、自由記述を改善メモへ変える流れを確認します。実際の回答件数や割合ではなく、判断のつなぎ方を見るための例です。

元の回答例分類確認すること改善メモ
説明は分かったが、実際の画面で試す時間が短かった良かった点+改善点演習時間と端末数説明を5分短縮し、個人演習を10分追加
専門用語が多く、途中からついていけなかった分かりにくかった点対象者の事前知識用語一覧と最初の操作見本を追加
この手順は現在の社内ルールと違うと思う講師確認正本資料と改訂日制度担当が確認するまで該当ページを保留
別部署での使い方も知りたい追加希望今回の対象範囲共通編は維持し、部署別補足を次回候補へ
架空回答を改善行動へつなぐ例

一つ目の回答では「分かりやすかった」という継続点を残しつつ、演習時間を改善します。三つ目は件数が一件でも、制度の誤りに関わるため、人気順ではなく担当者確認へ回します。このように、分類は回答を片づけるためではなく、残すこと、直すこと、確認することを分けるために使います。

改善メモは変更前後が分かる文にする

「演習を増やす」ではなく、「講義パートを5分短縮し、操作演習を10分から15分へ変更する」のように、変更箇所と確認方法が分かる形にします。担当、期限、完了条件を添えると、次回準備のタスクへ移しやすくなります。

11. 小さく試すときの進め方

最初から全社のアンケート運用を変えず、回答数が多すぎない一回分で試します。元の集計結果とAIを使った整理結果を比べ、見落としと手戻りを確認します。

  • 個人情報を外した複製データで試す
  • 元の回答列を上書きしない
  • AIの分類を担当者が抜き取り確認する
  • 少数意見が残っているか確認する
  • 改善メモまで作り、実際に判断へ使えるか見る

評価するのは作業時間だけではありません。分類の修正率、見落とした重要意見、講師への確認回数、改善案が実行可能だったかも記録します。

試した結果、自由記述の表現が短すぎる、質問項目が曖昧、回答尺度が毎回違うと分かった場合は、AIの使い方だけでなくアンケート設計そのものを直す候補にします。

コレダケAIで次にできること

コレダケAIでは、公開記事で考え方をつかんだあと、クエスト(短い実践課題)でAIへ渡す材料と確認方法を学び、会員向け記事で最新動向を確かめられます。

入会後は、回答データ、研修目的、次回日程、講師への共有範囲をひかりへ相談し、自社のアンケートに合う分類軸や改善メモを整理できます。詳しい依頼文やひな形は、会員向け記事で深掘りします。

よくある質問

Q. アンケート回答をそのままAIに貼ってよいですか?

個人名、所属、連絡先、特定されやすい自由記述は伏せるのがおすすめです。社内ルールや利用しているAIサービスのデータ取り扱いも確認しましょう。

Q. AIの分類結果をそのまま講師に共有してよいですか?

そのまま共有せず、少数意見、個人が特定される表現、事実確認が必要な内容を担当者が確認してから共有します。

Q. SheetsのGeminiを使えば集計は自動で終わりますか?

表の作成や数式確認の助けになりますが、集計範囲、除外条件、解釈は人が確認する必要があります。AIは改善メモづくりの補助として使うのが安全です。

Q. 回答数が少なくてもAIで分析する意味はありますか?

件数が少ない場合でも、分類や改善メモの整理には使えます。ただし割合や傾向を一般化せず、少数の回答であることを明記して、元の内容を担当者が確認します。

Q. 否定的な意見だけをAIで抜き出してもよいですか?

否定的な意見だけでは全体像が偏ります。継続したい点、改善点、追加要望、担当者確認を分け、点数結果や回答数と一緒に見ます。

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コレダケAIでは、公開ブログでAI活用の入口をつかみ、クエスト・ひかりへの相談・ギルドで自分の仕事に合わせて実践できます。

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Author

コレダケAI編集部

AI活用メディア編集部

コレダケAIの公開記事編集チーム。AI活用を実務へ取り入れる判断材料を、公式発表と公的機関の資料で確認し、出典・確認日・更新日を点検して公開しています。

出典・確認情報

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