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AIで介護記録を作る方法|事実の整理・個人情報・確認手順

介護の観察メモを匿名化し、AIで文章候補へ整え、職員が事実と個人情報を確認して正式記録へ移す方法を解説します。

15分で読めるコレダケAI編集部
介護施設の匿名観察メモ、記録用タブレット、確認用紙を分けてAIで文章候補を作る様子を表す記事画像

まず押さえたい全体像

AIで介護記録を作る時は、利用者の様子をAIに判断させるのではなく、職員が残した観察メモから文章の候補を作る補助として使います。時刻、観察した事実、行った対応、利用者の反応、本人の発言、連絡事項を人が固定し、元のメモにない出来事や因果関係をAIが足していないかを確認します。

おすすめは「利用可否を確認する → 個人を特定できる情報を外す → 事実表を作る → 文章候補を作る → 担当職員が確認する → 正式な記録システムへ登録する」の6工程です。AIとの会話を正式記録にせず、ケアの判断、医療判断、家族への連絡、事故対応は事業所の手順と責任者へ戻ります。

この記事で得られること

介護記録でAIが補助できる範囲、観察メモの分け方、正式記録までの6工程、架空例、事実と判断の確認、個人情報、内部記録・申し送り・家族向け報告の違い、小さな試行と評価方法が分かります。診断、ケア方針、法令適合をAIが保証するという記事ではありません。

目次

1. AIは介護記録の文章候補を作り、判断は職員が行う / 2. 時刻・観察・対応・反応・連絡を入力メモへ分ける / 3. 匿名化から正式記録までを6工程に分ける / 4. 架空例:食事介助後の観察メモを短い記録へ整える / 5. 事実・本人発言・職員判断を分けて確認する / 6. 個人情報と外部サービスへの入力範囲を先に決める / 7. 内部記録・申し送り・家族向け報告を同じ文章にしない / 8. 匿名化した1様式で試す手順と評価方法

導入

介護現場では、支援をしながら利用者の変化を観察し、あとから時刻、介助内容、反応、申し送りを記録します。忙しい時間帯は短いメモや口頭共有が増え、勤務の終わりに文章へ整える作業が残ります。書き方の個人差が大きいと、次の担当者が必要な事実を探す時間も増えます。

生成AIは、箇条書きを時系列へ並べ、表現をそろえ、長いメモを短くする補助になります。しかし、情報が足りない時に自然な文章を補い、観察と推測を混ぜ、誰の発言かを取り違える可能性があります。読みやすさと記録の正確さは別です。

この記事では、訪問介護、通所介護、施設などで記録を担う職員と現場リーダーを想定します。具体的な保存期間や必須様式はサービス種別、自治体、契約、事業所規程で異なるため、実務では自社の正式なルールを確認してください。

1. AIは介護記録の文章候補を作り、判断は職員が行う

介護記録でAIが補助する文章整理と、職員が判断する観察・ケア・正式登録を分けた図
AIは文章候補を作り、観察と支援の判断は職員が行います。

経済産業省の生成AIユースケース調査では、介護従事者と要介護者のやり取りなどから、規定の形式で介護記録を自動作成・標準化し、記録内容の充実と業務負担の軽減を目指す例が整理されています。これは、汎用AIへ実在の利用者情報をそのまま入力してよいという意味ではありません。

厚生労働省の介護現場におけるAI技術の活用促進資料も、介護記録データの要約や報告書作成の事例を示し、担当者が確認する流れを置いています。AIは文章整理を補助できますが、観察したかどうか、対応が適切か、家族や医療職へ連絡するかは職員が判断します。

AIへ任せやすいのは、同じ事実を決められた順番へ並べる、表記をそろえる、冗長な文を短くする、未入力項目の候補を示すことです。任せないのは、診断、症状の因果関係、リスク判定、ケア方針、事故区分、服薬や医療対応、正式記録の承認です。

工程AIが補助できること職員が行うこと
入力整理項目の並べ替え・不足候補観察事実・主語・時刻の固定
文章化短い記録候補・表現統一事実・発言・対応の照合
確認確認項目の一覧化ケア・医療・事故・連絡判断
保存なし正式システムへの登録・承認
AIと職員の役割分担

任せる範囲を決める時は「AIに任せていい仕事・任せてはいけない仕事の分け方」も参考になります。介護記録では、文章作業と支援判断を明確に分けます。

2. 時刻・観察・対応・反応・連絡を入力メモへ分ける

入力メモは、時刻、場所、観察、本人の発言、行った対応、その後の反応、連絡した相手、未確認事項へ分けます。「元気がない」のような評価だけで終えず、何を見てそう考えたかを別に書きます。本人の言葉は、職員の解釈と混ぜません。

数値がある場合は、測定機器、単位、時刻、誰が測ったかを確認します。普段との違いを書く時は、比較元となる記録や担当者の確認が必要です。AIに「いつもより」「改善した」「悪化した」と補わせません。記録に必要な項目が空欄なら、自然な文章で埋めず、未確認として職員へ戻します。

事業所の正式様式に項目がある場合は、その順番を入力メモにも合わせます。ただし、利用者名や詳細な健康情報を外部サービスへ送ってよいかは別の判断です。試行段階では架空情報または安全に匿名化した複製データを使います。

項目書く内容避けること
時刻・場所出来事が起きた時と場所推測した時刻
観察見た・聞いた事実原因の断定
本人発言誰が何と言ったか職員の解釈との混同
対応誰が何をしたかしていない対応の補完
反応・連絡その後の様子と連絡事実結果や判断の作り足し
観察メモの基本項目
種類記載候補確認
観察昼食を半量摂取した量と時刻を元メモで確認
本人発言「今日はあまり食べたくない」と話した発言者と表現を確認
対応水分を勧め、職員Aへ共有した実施者と共有先を確認
判断体調不良が原因であるAIが断定せず責任者へ戻す
観察と判断を分ける例

3. 匿名化から正式記録までを6工程に分ける

利用可否、匿名化、事実表、文章候補、職員確認、正式登録の6工程図
個人情報を守り、元メモへ戻れる6工程に分けます。

第一に、事業所でAI利用が許可されているか、どの契約と設定を使うかを確認します。第二に、利用者名、住所、連絡先、家族情報など、個人を特定できる情報を外し、必要に応じて利用者Aのような作業用記号へ置き換えます。置換表はAIへ渡しません。

第三に、匿名化したメモを時刻、観察、発言、対応、反応、連絡へ分け、事実表を作ります。第四に、AIへ事実表だけを使って文章候補を作らせ、不明を補わない条件を付けます。第五に、実際に観察・対応した職員が元メモと照合し、責任者が必要な確認を行います。

第六に、確認済みの文章だけを正式な介護記録システムへ登録します。AIの画面、作業用メモ、正式記録の保存先を分けます。間違いが見つかった時は、正式な訂正手順に従い、AIとの会話を修正履歴の代わりにしません。

工程すること止める条件
1. 利用可否契約・設定・事業所ルールを確認個人利用の外部サービスしかない
2. 匿名化個人を特定できる情報を外す置換しても特定できる
3. 事実表時刻・観察・対応等を固定主語や事実が不明
4. 文章候補AIが短い候補を作る推測や判断を加えている
5. 職員確認元メモと事実を照合観察・対応者が未確認
6. 正式登録確認済み文章を記録へ移す承認・保存先が不明
介護記録の文章候補を作る6工程

4. 架空例:食事介助後の観察メモを短い記録へ整える

以下はコレダケAI編集部が作成した架空例です。実在の利用者、職員、事業所の記録ではありません。利用者Aの昼食介助後に、職員が「12時10分、主食半量、副食8割、水分150mL。本人は『今日はあまり食べたくない』と発言。水分を勧め、12時25分に職員Bへ共有」と作業用メモを残した場面を想定します。

分類確認済みの事実未確認のため書かないこと
時刻12:10観察、12:25共有出来事の開始時刻
摂取主食半量・副食8割・水分150mL普段との比較
発言「今日はあまり食べたくない」発言の原因
対応水分を勧め、職員Bへ共有医療的な評価・診断
架空例の事実表

文章候補は「12時10分、昼食は主食半量、副食8割、水分150mLを摂取。本人より『今日はあまり食べたくない』との発言あり。水分摂取を勧め、12時25分に職員Bへ共有した」のように、事実表の範囲へ限定します。

「食欲低下」「体調不良が疑われる」「脱水予防のため対応」といった評価や目的は、元メモにないためAIが追加しません。必要な評価は、担当職員や責任者が事業所の手順に沿って別に判断します。記録様式にその後の反応が必要で未確認なら、空欄を埋めず確認へ戻します。

日々の事実を短く整理する考え方は「AIで日報を作る方法」も参考になります。介護記録では、個人情報と支援判断の境界をさらに厳しく扱います。

5. 事実・本人発言・職員判断を分けて確認する

主語、時刻、観察、本人発言、対応、連絡を元メモで確認するチェック図
文章の上手さより、誰が何をしたか追跡できることを優先します。

確認では、主語、時刻、場所、数値、観察、本人発言、対応、反応、連絡を順に元メモと照合します。文章が読みやすくても、誰が何をしたかが曖昧なら正式記録へ移しません。「見守った」「共有した」だけでなく、誰が、いつ、誰へ行ったかを確認します。

本人発言は、職員が感じた意味へ言い換えないようにします。観察は、見た・聞いた・測った情報と、職員の評価を分けます。AIが推測を加えた場合は、推測部分だけ削るのではなく、なぜ加わったかを確認し、入力項目や指示を直します。

重要な変化、事故、医療職への相談、家族への連絡は、AIの文章候補が完成するのを待たず、事業所の連絡・報告手順を優先します。記録作業の効率化と、安全上の対応順序を混同しません。

確認項目照合する内容よくある誤り
主語利用者・職員・家族・医療職発言者や実施者の混同
時刻観察・対応・共有の時間順序の入れ替わり
数値量・回数・単位・測定時刻単位抜け・丸め
観察見た・聞いた事実評価や原因の混入
本人発言誰が何と言ったか職員の解釈への言い換え
対応・連絡実施内容・共有先・反応未実施内容の追加
正式登録前の確認

6. 個人情報と外部サービスへの入力範囲を先に決める

個人情報保護委員会と厚生労働省の医療・介護関係事業者向けガイダンスは、介護サービスの計画や提供内容、事故状況などの記録を個人情報の例として示しています。正式な様式へ整理する前のメモでも、個人を識別できる情報や健康・生活に関する情報は慎重に扱います。

匿名化は、氏名を利用者Aへ置き換えるだけで十分とは限りません。住所、家族構成、珍しい出来事、日時、施設名などを組み合わせると個人を特定できる場合があります。外部AIへ渡す必要がある情報を最小限にし、可能なら会社が管理する契約・環境で処理します。

医療・介護関係事業者向けガイダンスのQ&Aでは、安全管理措置、従業者の監督、委託先の監督、第三者提供などが整理されています。AIサービスの提供者、保存先、学習利用、再委託、管理者設定、削除方法を確認し、事業所の責任者と判断します。

個人情報保護委員会の生成AIサービスに関する注意喚起も、個人情報を入力する場合に、利用目的や利用規約などを確認するよう示しています。無料の個人アカウントへ実在利用者の記録をコピーする運用は、便利さだけで決めません。

確認見ること不明なら
利用目的記録作成のどの工程に必要か入力しない
契約・設定会社契約・保存・学習利用・削除管理者へ確認
入力範囲個人を特定できない最小情報かさらに削る
委託先提供者・再委託・保存場所責任者へ確認
正式保存承認済みの記録システムかAI画面へ残さない
個人情報を入力する前の判断

7. 内部記録・申し送り・家族向け報告を同じ文章にしない

内部の介護記録は、支援の事実と経過を次の職員や関係者へ引き継ぐ目的があります。申し送りは、その勤務帯で注意することや未完了の確認を短く伝える役割です。家族向け報告は、同意された範囲で状況を分かりやすく伝える文書です。目的と読者が違います。

AIで一つの文章を作り、三つの用途へそのまま使い回すと、内部だけに必要な情報を家族向けへ含めたり、家族へ伝える背景を内部記録から落としたりします。元の事実表は共通にしても、含める情報、語調、確認者、送信先を用途ごとに分けます。

特に家族向け報告は、送信前に宛先、本人・家族の同意、共有範囲、未確定情報、医療的な説明、約束した対応を確認します。AIが丁寧な文章へ整えても、組織として伝えてよい内容かは別の判断です。

用途主な読者中心となる内容確認者
内部記録職員・関係職種支援事実・経過・正式項目担当職員・責任者
申し送り次の勤務担当注意点・未完了・次の確認勤務帯の担当者
家族向け報告本人・家族合意した範囲の状況説明責任者・送信担当
三つの文書を分ける

会話から共有事項を整理する時は「AIで議事録を作る方法」の、発言と決定を分ける考え方も参考になります。

8. 匿名化した1様式で試す手順と評価方法

最初は実在利用者の記録を使わず、架空データまたは安全に匿名化した過去様式の複製を使います。対象は定型的で、担当職員が内容をよく把握している1種類の記録に限定します。事故、急変、医療判断、複雑な家族対応から始めません。

評価では、作成時間、確認時間、事実の修正数、推測の削除数、主語・時刻・数値の誤り、追記が必要だった項目、差し戻し、職員間での読みやすさを記録します。短時間になっても、誤記や確認負荷が増えた場合は範囲を広げません。

厚生労働省の介護分野における生産性向上情報を参考に、単に記録時間を削るのではなく、情報共有やケアの質、働きやすさを含めて見ます。試行後は、頻出する修正を入力項目と確認表へ戻し、担当者が変わっても確認できる流れにします。

評価記録するもの広げる条件
時間入力・文章化・確認・登録全工程で負担が減る
正確さ事実修正・推測削除・差し戻し重要な誤記がない
安全個人情報・禁止入力・保存先ルールを全員が守れる
共有読みやすさ・必要項目・引き継ぎ次の担当が理解できる
小さな試行の評価項目

小さな試行を続ける考え方は「AI活用が続かない理由とは?」も参考になります。

コレダケAIで次にできること

この記事では、介護記録の文章候補を作る全体像と確認項目まで扱いました。事業所固有の様式、入力禁止情報、匿名化規則、連絡・承認、正式システムへの登録、自動連携は、サービス種別と組織のルールに合わせて設計する必要があります。

入会後は、ひかりに相談して、AIへ任せる文章作業、必要な材料、人が確認する項目を整理できます。実在利用者の情報を使う前に、架空データで1様式だけ試し、毎回同じ確認ができる流れへ整えます。

よくある質問

箇条書きメモをAIへ入れれば介護記録になりますか?

文章候補は作れますが、主語、時刻、観察、対応、反応、連絡を担当職員が照合し、正式な記録システムへ登録して初めて組織の記録になります。

利用者名を記号に変えれば外部AIへ入力できますか?

氏名以外の情報を組み合わせて個人を特定できる場合があります。匿名化だけで判断せず、事業所の契約、設定、利用目的、入力ルールを確認します。

AIに体調の評価やケア方針も書かせてよいですか?

AIは観察メモの文章整理に限定し、診断、因果関係、ケア方針、事故・医療判断は職員と責任者が正式な手順で行います。

内部記録を家族向け報告へそのまま使えますか?

目的、読者、共有範囲、確認者が違うため、そのまま使い回しません。共通の事実表から別の文章候補を作り、送信前に承認します。

どの記録から試すとよいですか?

担当職員が内容を把握し、定型項目が多い1様式を、架空または安全に匿名化した複製データで試します。

AI活用を、今日のクエストから学びたい方へ

公開ブログで入口をつかんだあとは、今日のクエストを中心に少しずつ学べます。実際の仕事で試したいときだけ、ひかりやギルドも使えます。

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執筆・編集

コレダケAI編集部

AI活用メディア編集部

仕事でAIを安全に試すための判断軸を、各社の公式情報と公的資料で確認し、入会前の読者にも分かる言葉で整理する編集部です。

出典・確認情報

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