ブログ一覧へ
職種別AI活用教育・学習支援スライド構成案講師・研修担当Gemini

AIで研修資料を作る方法|講師向けの構成案・台本・確認手順

AIで研修資料を作りたい講師・研修担当者へ。目的、受講者、構成、確認ポイントを分け、資料づくりを安全に始める方法を解説します。

17分で読めるコレダケAI編集部

結論

講師がAIで研修資料を作るときは、最初にスライドを丸ごと作らせるより、受講者、到達目標、時間配分、確認問題を分けて整理するほうが失敗しにくくなります。

Googleは2026年6月30日、Gemini in Google Slides(Googleスライド内のAI支援機能)で、Google Driveの資料や既存プレゼンのスタイルを参照し、構成を確認してから編集可能な複数スライドを作る機能を案内しました。7月16日のGemini in Google Docs(Googleドキュメント内のAI支援機能)の案内では、初稿作成や文体・書式合わせの機能が紹介され、日本語は従来からの対応言語として記載されています。

この記事で得られること

  • 講師・研修担当者がAIを使う前に決めることが分かる
  • 研修資料づくりでAIに任せやすい工程が分かる
  • 60分研修を例に、構成を組み立てる順番が分かる
  • 薄い資料や情報過多の資料を立て直す観点が分かる
  • AIで作った資料をそのまま使わないための確認ポイントが分かる
  • 入会後にコレダケAIで深掘りできる範囲が分かる

目次

導入

研修資料づくりは、スライドをきれいに並べるだけの仕事ではありません。受講者が何を理解し、どこでつまずき、研修後に何をできるようになるかを設計する仕事です。

AIを使うと、構成案、説明の言い換え、確認問題、ワークの案を短時間で出せます。一方で、受講者の前提や会社ごとの方針に合わない内容が混ざることもあります。

とくに既存資料が多い組織では、AIが内容を増やしすぎて、伝えるべきことがぼやける場合があります。資料を増やす前に、残す情報と削る情報を決めることが大切です。

この記事では、講師や研修担当者が入会前に知っておきたい、AIで研修資料を作る方法と確認の全体像を整理します。

1. 講師がAIを使う前に決める3つのこと

研修資料づくりで受講者、到達目標、確認方法を整理する図
AIに頼む前に、受講者・到達目標・確認方法を分けておく。

AIに「研修資料を作って」と頼む前に、まず決めたいのは、受講者、到達目標、研修後の行動です。この3つが曖昧なままだと、見た目は整っていても、現場で使いにくい資料になりがちです。

項目見るポイントAIに渡す理由
受講者新人、管理職、営業担当など言葉の難しさと例え話を合わせるため
到達目標研修後にできてほしい行動スライドの順番を目的から逆算するため
確認方法小テスト、演習、ロールプレイ理解確認を資料の最後に置くため
研修資料づくりの前に決めること

この整理を先にしておくと、AIの出力は単なる一般論ではなく、自分の研修に近い構成案になります。

受講者像は知識レベルと利用場面まで書く

「新入社員向け」だけでは、AIは受講者が何を知っているかを判断できません。対象者に加えて、専門用語を知っているか、対象業務を経験したことがあるか、研修後にどの場面で使うかまで整理します。たとえば「入社一か月以内で顧客対応は未経験。研修後は電話の取り次ぎを一人で行う」のように書くと、説明の深さと例を合わせやすくなります。

到達目標から確認方法を逆算する

到達目標は「理解する」「知る」だけで終わらせず、「三つの注意点を説明できる」「見本を見ながら一度操作できる」のように、研修後の行動が見える言葉にします。行動が決まると、説明、演習、確認問題に必要な内容も絞りやすくなります。

説明できることが目標なら確認問題、操作できることが目標なら演習、判断できることが目標なら事例問題を置きます。到達目標と確認方法が対応していないと、スライドを最後まで見ても研修の成果を確かめられません。

受講者が複数の職種にまたがる場合は、全員に必要な共通部分と、職種別の補足を分けます。AIに一つの資料へすべて詰め込ませるより、共通編と補足編に分けるほうが、説明時間も調整しやすくなります。

2. 研修資料づくりでAIが効く工程

AIが研修資料づくりで効く工程を分類した図
構成案、言い換え、ワーク案、確認問題はAIでたたき台化しやすい。

AIが得意なのは、ゼロから正解を決めることではなく、材料をもとに候補を出すことです。講師の仕事では、構成案、章立て、説明の言い換え、ワーク案、確認問題のたたき台で使いやすくなります。

  • 既存資料から研修の流れを整理する
  • 難しい用語を受講者向けに言い換える
  • 15分、30分、60分など時間別の構成案を出す
  • 理解確認の質問や演習案を作る

反対に、会社の方針、法務判断、評価基準、受講者の個別事情は、人が確認する領域です。AIは講師の代わりに責任を持つわけではありません。

先に渡す材料を絞る

AIへ渡す材料は、現行の正本資料、過去の研修資料、受講者から多かった質問、今回使える時間の四つから始めると整理しやすくなります。古い資料や参考資料まで一度に混ぜると、現在は使っていない制度や表現が入りやすくなります。

一度に完成させず、工程ごとに確認する

資料づくりは、材料整理、構成案、各章の説明、演習、確認問題、表現調整の順に分けます。構成案の段階で不要な章を外してから本文へ進むと、完成後に大量のページを削る手戻りを減らせます。AIが出した候補は各工程で保存し、どの資料を根拠に残したかも分かるようにします。

段階AIに頼むこと人が確認すること
1. 材料整理正本資料の要点候補古い情報や対象外資料がないか
2. 構成案章の順番と時間配分到達目標へ必要な章か
3. 説明づくり言い換えと具体例事実と受講者レベル
4. 演習・確認場面設定と設問候補難易度、解答、実施時間
5. 仕上げ表現と体裁の統一社内表記、引用、読みやすさ
研修資料を段階的に作る流れ
工程AIに任せやすいこと講師が決めること
構成章立てや順番の候補到達目標と優先順位
説明言い換えや例の候補事実と社内ルール
演習問いや場面設定の案難易度と安全性
確認小テストのたたき台合格基準と解説
AIと講師の役割分担

役割分担を決めておくと、AIの出力を最初から完成品として扱わず、講師が判断するための候補として見られます。修正回数を減らすうえでも、任せる部分と承認する部分を分けることが重要です。

関連記事:AIに任せてよい仕事・任せてはいけない仕事の分け方

3. 投影スライド・台本・配布資料・確認問題を分ける

「研修資料」という一つのファイルで考えると、画面に映す文字、講師が話す内容、受講者が持ち帰る情報が混ざりやすくなります。AIへ頼む前に、何を作るのかを四つへ分けると、情報量と用途を調整しやすくなります。

資料主な読み手入れる内容避けたい状態
投影スライド受講者要点、図、見本、問い講師の台本まで詰め込む
講師台本講師補足説明、問いかけ、注意画面の文章を読むだけになる
配布資料受講者研修後に参照する手順と要点投影資料の単純な印刷になる
演習・確認問題受講者と講師課題、条件、解答、評価観点正解や判断基準が曖昧になる
研修で使う四つの資料

投影スライドは一枚一役にする

投影スライドは、説明する、見本を見せる、考えてもらう、確認する、のどれか一つを主な役割にします。文章を減らすだけでなく、講師が話さないと意味が分からない図や、読み上げるだけの長文になっていないかも確認します。

講師台本と配布資料は情報量を変える

講師台本には、受講者の反応に応じた補足や時間調整の目安を入れます。配布資料には、研修後に一人で実行するときの手順、問い合わせ先、正本資料への参照を残します。同じ内容を複製するのではなく、使う場面に合わせてAIへ書き分けさせることが大切です。

4. 使うAIは資料の流れで選ぶ

研修資料づくりでは、AIの名前だけで選ぶより、材料から完成形までの流れで選ぶほうが分かりやすくなります。Google Workspace中心なら、Driveの正本資料を参照し、Docsで原稿を整え、Slidesで編集可能な資料へ仕上げる流れが候補になります。

Googleは2026年6月30日、Gemini in Google Slides(Googleスライド内のAI支援機能)で、Drive内の資料を参照し、別のプレゼンのスタイルに合わせ、構成を確認してから編集可能な複数スライドを作れると案内しました。開始時点では英語のみで、対象プランや利用枠も確認が必要です。7月16日のGemini in Google Docs(Googleドキュメント内のAI支援機能)の案内では、Drive、Gmail、Chat、Webの情報を参照した初稿作成や、既存文書に合わせた文体・書式の再現が紹介されています。日本語は今回追加された言語ではなく、従来からの対応言語です。

参照元:Google Workspace Updates(Gemini in Google Slides)

参照元:Google Workspace Updates(Gemini in Google Docs)

Slidesで複数スライドを作れることと、研修として分かりやすいことは同じではありません。参照する資料を選び、構成案を承認し、できあがった資料を編集するという三段階に分けて使うと、不要な内容や事実誤認に気づきやすくなります。

会社のひな形に合わせる場合も、色や書体だけでなく、表紙、章扉、注意書き、問い合わせ先、改訂日などの必須要素を確認します。見た目が似ていても、運用上必要な情報が抜けていることがあります。

関連記事:Geminiは仕事で何が得意?Google Workspace派のAI活用入門

5. そのまま使わないための注意点

AIで作った研修資料の確認ポイントを示すチェックリスト
AIの資料は、事実・社内ルール・受講者レベルを確認してから使う。

AIで作った研修資料は、必ず講師が確認します。特に、事実、制度、社内ルール、評価基準、著作権、個人情報に関わる部分は、そのまま使わないほうが安全です。

  • 社内の正本資料と内容が合っているか
  • 受講者のレベルに対して難しすぎないか
  • 個人情報や社外秘が入っていないか
  • 演習の時間配分が現実的か
  • AIが作った例が偏っていないか

Googleのヘルプでも、Geminiは参照元を示していても誤る場合があり、信頼できる別の情報と照合してから利用するよう案内されています。社内の正本資料と利用方針を確認することも含め、便利さと確認はセットで考えましょう。

参照元:Google Workspace with Geminiで参照元を使う方法

参考情報:個人情報保護委員会「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等」

参考情報:文化庁「AIと著作権について」

確認は、内容、教え方、見せ方の三回に分けると抜けにくくなります。内容確認では制度や数値、教え方の確認では順番や演習量、見せ方の確認では文字量や図の読みやすさを見ます。

確認段階主に見ること確認する人の例
内容確認事実、制度、数値、引用元業務責任者、制度担当
教え方の確認順番、難易度、演習時間講師、研修担当
見せ方の確認文字量、図、表記、読みやすさ編集担当、別の講師
研修資料の三段階確認

一人で三回見直すより、最後だけでも別の担当者に読んでもらうと、前提知識がない受講者がつまずく箇所を見つけやすくなります。

6. 60分研修に落とす構成例

60分研修では、説明だけで時間を埋めず、理解確認や演習の時間を先に確保します。AIには「60分の資料」ではなく、各部分の目的と使える時間を渡して構成候補を出してもらいます。

時間内容資料の役割
0〜5分目的と到達目標今日できるようになることを示す
5〜15分背景と基本ルール必要な前提だけをそろえる
15〜30分見本と解説正しい進め方を具体的に見せる
30〜45分個人または小グループ演習受講者自身が一度試す
45〜55分回答共有とよくある失敗つまずきを全体で確認する
55〜60分まとめと次の行動研修後に行うことを決める
60分研修の時間配分例

この配分はひな形であり、操作研修なら演習を長くし、制度説明なら質問時間を厚くします。AIに複数案を出してもらい、受講者の経験と研修目的に合う案を講師が選ぶ使い方が現実的です。

資料の枚数は目的ではありません。1枚に一つの役割を持たせ、「説明する」「見本を見せる」「考えてもらう」「確認する」のどれにも当てはまらないページは、削る候補にします。

関連記事:AIでスライド構成案を作るには?最初に決めるべき5つのこと

7. 完成前に合格ラインを決める

AIで作った資料を何度直しても終わらない原因の一つは、完成と判断する基準がないことです。作成前に、正確さ、学びやすさ、実施しやすさ、読みやすさの四つで合格ラインを決めます。

観点合格とする状態確認方法
正確さ制度、数値、手順が正本資料と一致する出典と改訂日を照合する
学びやすさ到達目標と説明・演習・確認が対応する章ごとの役割を一覧で見る
実施しやすさ予定時間内に説明と演習を終えられる講師が通しで試す
読みやすさ受講者が要点と次の行動を追える対象者に近い人が試し読みする
研修資料の合格ライン例

AIには自己評価ではなく確認材料を出させる

AIに「分かりやすい資料ですか」と尋ねるだけでは、肯定的な評価へ寄ることがあります。代わりに、根拠が書かれていない数値、未定義の専門用語、到達目標に関係しないページ、演習の前提不足を一覧にさせます。講師はその一覧と正本資料を照合して判断します。

最後は実施順に通して確認する

ファイル上で読むだけでなく、投影し、講師台本を読み、演習を実際に行って所要時間を測ります。リンク切れ、文字の小ささ、口頭説明がないと伝わらないページは、通し確認で見つかりやすくなります。修正後は合格ラインを満たした箇所に確認日と担当者を残します。

8. よくある失敗と立て直し方

AIで資料を作ると、短時間で情報量を増やせる一方、研修に必要な判断まで自動で整うわけではありません。よくある失敗は、情報が多すぎる、説明が抽象的、受講者像が混ざる、参照元が不明の四つです。

失敗起きやすい状態立て直し方
情報が多すぎる一枚の文字量と章数が増える到達目標に不要な内容を外す
説明が抽象的一般論だけで現場を想像できない自社で起きる場面と見本を加える
受講者像が混ざる初心者と経験者へ同じ説明をする共通編と補足編に分ける
参照元が不明制度や数値を確認できない正本資料と改訂日を記録する
AI研修資料の失敗と修正

見た目が整っているほど、内容も正しいと思い込みやすくなります。資料を評価するときは、デザインより先に、到達目標へ必要な情報だけが並んでいるかを確認します。

9. 小さく試すときの進め方

初回から研修全体をAIで作り直す必要はありません。まずは、既存研修の一つの章や、毎回修正に時間がかかる説明部分だけを対象にします。

  • 元の資料とAIを使った修正版を残す
  • 作成時間だけでなく修正時間も記録する
  • 別の講師に内容と教え方を確認してもらう
  • 実施後に受講者の質問とつまずきを記録する
  • 次回も使う部分と戻す部分を決める

効果を見るときは、「何分短縮したか」だけでなく、修正回数、講師間の説明のばらつき、受講者から出た質問、研修後の行動まで見ます。作成時間が短くなっても、確認や手戻りが増えたなら、材料の渡し方や確認工程を直す必要があります。

一度試した結果を残しておくと、次の研修でAIへ渡す材料が明確になります。小さな改善を繰り返し、使える工程だけを残すほうが、現場へ定着しやすくなります。

コレダケAIで次にできること

コレダケAIでは、公開記事で全体像をつかんだあと、クエスト(短い実践課題)でAIへ渡す材料と確認方法を学び、会員向け記事で最新動向を確かめられます。

入会後は、研修の目的、受講者、時間、使いたい資料をひかりへ相談し、自分の研修テーマに合う構成案や確認観点を整理できます。詳しい依頼文や運用のひな形は、会員向け記事で深掘りします。

よくある質問

Q. AIだけで研修資料を完成させてもよいですか?

おすすめしません。AIは構成案や下書きに使い、事実、社内ルール、受講者レベル、演習の安全性は講師や担当者が確認します。

Q. 講師がAIを使うなら、どのAIから始めるとよいですか?

普段の資料保存・共同編集環境と、会社で利用を認められているサービスから選ぶと始めやすくなります。Google Workspace中心なら、対象プランと利用条件を確認したうえでGeminiを候補にできます。ほかのAIを使う場合も、機密情報の扱いと最終的な編集方法を先に確認しましょう。

Q. 過去の研修資料は全部AIに渡したほうがよいですか?

まずは現在の正本資料と、今回の研修に必要な資料へ絞るのがおすすめです。古い制度や重複資料が混ざると、使っていない情報が出力へ入りやすくなります。

Q. AIが作った図や文章の著作権は確認が必要ですか?

必要です。利用するAIサービスの規約、参照素材の権利、社内の利用方針を確認し、第三者の文章や画像に似すぎていないかも公開前に確認します。

Q. 公開記事で詳しい依頼文まで出さないのはなぜですか?

研修内容や社内ルールによって使うべき依頼文が変わるためです。公開記事では全体像まで扱い、具体的な進め方は入会後に会員向け記事やひかりで整える形にしています。

AI活用を自分の仕事に落とし込みたい方へ

コレダケAIでは、公開ブログでAI活用の入口をつかみ、クエスト・ひかりへの相談・ギルドで自分の仕事に合わせて実践できます。

料金プランを見る

Author

コレダケAI編集部

AI活用メディア編集部

コレダケAIの公開記事編集チーム。AI活用を実務へ取り入れる判断材料を、公式発表と公的機関の資料で確認し、出典・確認日・更新日を点検して公開しています。

出典・確認情報

関連記事