AIでスライド構成案を作る方法|プレゼンの流れと確認手順
AIにスライドを丸ごと作らせる前に、プレゼンの目的、相手、結論、根拠、次の行動を構成案へ落とす方法を解説します。

結論
AIでスライド構成案を作るときは、最初に完成スライドを生成するのではなく、「誰に、何を判断・理解・実行してほしいか」を決め、結論、根拠、次の行動の順でページの役割を設計します。
Gemini in Google Slides(Googleスライド内のAI支援機能)、Copilot in PowerPoint(PowerPoint内のAI支援機能)、ChatGPT for PowerPoint(PowerPoint内で使うChatGPT)などは構成案や編集を支援できます。ただし、利用できるプラン・言語・組織設定が異なるため、機能名だけで選ばず、普段の資料置き場と編集形式に合わせて判断します。
この記事で得られること
- スライド構成案の前に決める目的・相手・結論が分かる
- AIへ渡す資料と渡さない資料を分けられる
- 結論からページの順番を逆算できる
- PowerPoint・Googleスライド・ChatGPTの現行条件を確認できる
- 10分の提案プレゼンを構成へ落とす例が分かる
- 事実・ブランド・読みやすさの確認方法が分かる
目次
- 1. 目的・相手・結論・根拠・次の行動を先に決める
- 2. AIへ渡す資料は事実・参考・制約に分ける
- 3. 結論からストーリーとページの役割を逆算する
- 4. 構成案を承認してからAIでスライド化する
- 5. PowerPoint・Googleスライド・ChatGPTは編集環境で選ぶ
- 6. 10分の提案プレゼンを構成する具体例
- 7. 完成前に事実・デザイン・読みやすさを確認する
- 8. AIスライドで起きやすい失敗と直し方
- 9. 5ページの社内説明から小さく試して評価する
- コレダケAIで次にできること
導入

スライド作成が重くなるのは、文字や図形を置く前に、結論、根拠、順番、ページ数を決める必要があるからです。AIに「良い資料を作って」と頼むだけでは、情報を詰め込んだ説明資料になりやすく、読み手に何を判断してほしいかがぼやけます。
現在は複数のAIサービスが、資料や既存テンプレートを参照し、編集可能なスライドの下書きを作れるようになっています。一方で、英語のみ、対象プラン限定、段階的提供などの条件があります。
この記事では、ツールの機能紹介だけで終わらず、構成案を作る順番、ページごとの役割、具体例、確認、小さく試す方法までを整理します。
1. 目的・相手・結論・根拠・次の行動を先に決める
スライド構成案は、話したい内容の一覧ではありません。読み手に何を理解し、判断し、行動してほしいかを、限られた時間の中で並べる設計図です。AIへ渡す前に、目的、相手、結論、根拠、次の行動を一文ずつ決めます。
| 項目 | 確認する質問 | 例 |
|---|---|---|
| 目的 | 説明後に何が変わればよいか | 新施策の試行を承認してほしい |
| 相手 | 何を知り、何を心配しているか | 費用と運用負担を重視する部長 |
| 結論 | 一文で何を提案するか | 一部署で四週間試す |
| 根拠 | 判断に必要な事実は何か | 現状時間、対象業務、費用 |
| 次の行動 | その場で何を決めるか | 担当者と開始日を決める |
この五項目が曖昧なままAIへ頼むと、一般的な背景説明や機能一覧が増えます。反対に結論と次の行動が決まっていれば、不要なページを削りやすくなります。
同じテーマでも、経営会議、顧客提案、社内研修では構成が変わります。経営会議では判断材料とリスク、顧客提案では相手の課題と導入後の姿、研修では理解の順番と演習が重要です。誰向けかを役職名だけでなく、知識、関心、反対理由まで具体化します。
2. AIへ渡す資料は事実・参考・制約に分ける
AIへ大量の資料を渡せば良い構成になるとは限りません。古い資料、参考意見、確定した数字が混ざると、AIは違いを理解できず、一つの事実としてまとめる場合があります。資料を、承認済みの正式な資料、参考資料、守る制約へ分けます。
| 分類 | 内容 | 扱い |
|---|---|---|
| 正式な資料 | 承認済みの数値、制度、仕様 | 構成の事実根拠にする |
| 参考 | 過去資料、競合例、アイデア | 表現や論点の候補にする |
| 制約 | ページ数、時間、ブランド、禁止表現 | 出力が越えない条件にする |
各資料には、作成日、更新日、作成者、対象範囲を添えます。たとえば昨年度の価格表を参考資料として渡すなら、現行価格ではないと明示します。議事録に未確定案が含まれる場合も、決定事項と検討中を分けます。
顧客名、個人名、未公開情報を含む資料を外部の生成AIへ渡す前には、会社のルールと利用中サービスの規約を確認します。個人情報保護委員会も、生成AIサービスの利用に関する注意喚起で、入力内容と利用規約を踏まえた判断を求めています。
構成案に不要な添付は外します。AIが参照できるからといって、すべての資料を渡す必要はありません。判断に必要な事実と、表現の参考を分けるだけで、出典確認もしやすくなります。
3. 結論からストーリーとページの役割を逆算する
構成案は、話し手が調べた順番ではなく、読み手が納得する順番で組みます。多くの提案では、「何を決めたいのか」「なぜ今か」「根拠はあるか」「負担やリスクは何か」「次に何をするか」という疑問が生まれます。
| 順番 | ページの役割 | 答える疑問 |
|---|---|---|
| 1 | 結論と依頼 | 今日は何を決めるのか |
| 2 | 現状と課題 | なぜ今対応するのか |
| 3 | 原因・機会 | どこを変えればよいか |
| 4 | 提案内容 | 具体的に何をするか |
| 5 | 根拠・比較 | 妥当性はあるか |
| 6 | リスクと対応 | 失敗したらどうするか |
| 7 | 次の行動 | 誰がいつ始めるか |
一枚に一つの役割を持たせると、削る判断がしやすくなります。ただし、単純に文章を一つしか置かないという意味ではありません。主張、その根拠、読み手が確認する図表が一つの判断へまとまっていれば、複数要素があっても問題ありません。
AIには、各ページについて「ページの目的」「一番伝えたい文」「根拠」「必要な図表」「読み手が次に持つ疑問」を出してもらいます。こうすると、タイトルだけの構成案より、ページ間の重複と不足を見つけやすくなります。
長い研修用資料の構成は、AIで研修資料を作る方法で、説明・演習・確認問題の分け方も確認できます。
4. 構成案を承認してからAIでスライド化する

AIでいきなり完成スライドを作ると、問題が構成、文章、デザインのどこにあるか分かりにくくなります。前提整理、構成案、ページ原稿、スライド化、確認の五段階に分け、構成案の段階で一度承認します。
- 目的・相手・結論・資料・制約を整理する
- ページの役割と順番だけを作る
- 各ページの主張と根拠を短くする
- 承認済み構成からスライドを下書きする
- 事実・ブランド・読みやすさを人が確認する
Googleは2026年6月30日、Gemini in Google Slidesで編集可能な複数スライドを作る機能を案内しました。Google Driveの資料や既存プレゼンのスタイルを参照し、生成前に構成案を編集・承認できます。開始時点は英語のみで、対象プランと段階的提供の条件があります。
Microsoftの公式案内でも、Copilot in PowerPointで構成案を確認してからスライドを生成し、生成後に追加・削除・編集する流れが示されています。表示されない場合は契約や組織設定を確認する必要があります。
製品が構成案の確認を用意していても、承認を省いてよいわけではありません。ページ数、根拠、対象者、禁止表現を人が確認してからスライド化すると、後で全ページを作り直す手戻りを減らせます。
5. PowerPoint・Googleスライド・ChatGPTは編集環境で選ぶ
ツール選びでは、生成された見た目だけでなく、普段どこに資料があり、誰がどの形式で編集し、社内テンプレートをどう使うかを確認します。機能は更新されるため、契約前と公開前に公式ページで条件を見直します。
| 選択肢 | 向いている状況 | 2026年7月26日時点の確認点 |
|---|---|---|
| Gemini in Google Slides | Drive資料とGoogleスライドを中心に使う | 複数スライド生成は英語のみ、対象プラン・段階提供 |
| Copilot in PowerPoint | Microsoft 365とPowerPointを中心に使う | 契約ライセンス、組織設定、機能の提供状況 |
| ChatGPT for PowerPoint | PowerPoint内で構成・編集を対話したい | 利用対象、PowerPointへ追加する機能、組織ポリシー、対応範囲 |
| 汎用チャットAI | まず構成案だけを文章で作りたい | PowerPointファイル(PPTX)の編集ではなく構成テキストとして使う |
OpenAIは、ChatGPT for PowerPointについて、資料からの初稿作成、既存スライドの追加・修正、ストーリーや構成の確認をPowerPoint内で行えると説明しています。利用条件と会社の導入方針は別途確認してください。
Google Workspace中心の会社でも、英語のみの機能を日本語資料へそのまま使えるとは限りません。Microsoft 365中心でも、すべての利用者に同じ機能が表示されるとは限りません。作りたい一件の資料で、入力形式、構成確認、編集のしやすさ、共有方法を試してから選びます。
主要AIの仕事での選び分け全体は、ChatGPT・Claude・Gemini・Copilotの違いでも確認できます。
6. 10分の提案プレゼンを構成する具体例
架空の事務チームが、月次集計の一工程へAIを試す提案を10分で行う例です。目的は全社導入の承認ではなく、一部署で四週間試す承認を得ること。相手は、費用、情報管理、現場負担を心配する部長とします。
| ページ | 主張 | 根拠・確認物 |
|---|---|---|
| 1. 結論 | 一部署で四週間試したい | 対象・期間・承認事項 |
| 2. 現状 | 集計前の転記に時間がかかる | 現在の工程と作業時間 |
| 3. 対象工程 | 分類と下書きだけAIで補助する | AIと人の役割分担 |
| 4. 試行方法 | 一種類の帳票で比較する | 入力・確認・停止条件 |
| 5. 評価 | 時間と修正率で判断する | 測定項目 |
| 6. リスク | 機密情報と誤集計を止める | 匿名化・人の確認 |
| 7. 依頼 | 担当者と開始日を決めたい | 意思決定事項 |
AIへは、この七ページの順番を守り、各ページの主張を一文、必要な根拠を一つ、図表候補を一つ出すよう依頼します。最初からデザインを作らず、部長が判断するために不足している情報を質問として出してもらいます。
構成案を見て、現状の時間が未計測ならページ2を確定しません。費用が未確認なら推測値を入れず、確認中とします。AIが一般的な導入効果を追加しても、自社の実績としては使いません。
7. 完成前に事実・デザイン・読みやすさを確認する

完成前の確認は、内容とデザインを同時に行わず、事実、構成、見た目の順に分けます。最初に数字、日付、固有名詞、引用を元資料と照合します。次に結論と根拠のつながりを確認し、最後に文字量、色、図表、余白を整えます。
| 観点 | 確認すること |
|---|---|
| 事実 | 数字・日付・固有名詞が正式な資料と一致 |
| 出典 | 引用元と対象期間がページ内で分かる |
| 構成 | 各ページの役割が重複していない |
| ブランド | ロゴ・色・フォント・禁止表現が社内基準に合う |
| 読みやすさ | 小さい文字、文字と背景の色差不足、情報過多がない |
| 意思決定 | 最後に誰が何を決めるか明確 |
MicrosoftもCopilotで生成したプレゼンについて、生成後に追加・削除・編集して確認する流れを案内しています。PowerPointのCopilot公式手順を参照し、AIの初稿を完成品として扱わないようにします。
画像やグラフは、見栄えだけでなく意味を確認します。グラフの軸、単位、比較期間、母数が合っているか、生成画像が事実の証拠のように見えないかを見ます。社外提出では、画像・引用・ロゴの利用条件も確認します。
8. AIスライドで起きやすい失敗と直し方
| 失敗 | 原因 | 修正 |
|---|---|---|
| 一般論ばかり | 目的と相手が曖昧 | 意思決定と懸念を追加する |
| ページが多すぎる | 資料の要点を全部残した | 結論に不要な説明を補足へ移す |
| 同じ話が続く | ページの役割を決めていない | 一枚ごとの質問を一つにする |
| 根拠が分からない | 参考資料と正式な資料を混ぜた | 出典・日付・対象範囲を付ける |
| ブランドに合わない | テンプレートと制約がない | 既存資料と社内基準を先に渡す |
AIが作ったページを一枚ずつ直し続けると、全体の流れがさらに崩れることがあります。まず構成案へ戻り、不要なページ、足りない根拠、読み手の疑問を確認します。その後にページ原稿を直し、最後にデザインへ進みます。
情報を減らすときは、説明を消すだけでなく、本文、補足、別紙へ分けます。判断に必要な情報は本文へ、質問が出たときに使う詳細は補足へ、元データは別紙へ置きます。
生成された文章が強すぎる場合は、「必ず」「大幅に」「誰でも」など根拠のない断定を削ります。提案資料では、期待、前提、未確認、停止条件を分けて示すほうが、読み手が安全に判断できます。
9. 5ページの社内説明から小さく試して評価する
最初は、社外提案や取締役会資料ではなく、失敗しても戻せる社内説明を選びます。五ページ程度に絞り、同じ材料から手作業の構成案とAIの構成案を作って比べます。
- 目的・相手・結論を一文ずつ決める
- 承認済みの正式な資料を二〜三点に絞る
- AIには構成案だけを先に作らせる
- ページ原稿とデザインの修正回数を分けて記録する
- 読み手一人に結論と次の行動を説明してもらう
| 評価 | 見ること |
|---|---|
| 構成時間 | 順番を決める時間が減ったか |
| 構成修正 | ページの追加・削除・入れ替え数 |
| 事実修正 | 数字・出典・固有名詞の誤り |
| デザイン修正 | ブランドと読みやすさの手戻り |
| 伝達 | 読み手が結論と依頼事項を言えるか |
生成時間が短くても、構成の入れ替えや事実修正が多ければ、前提と資料の渡し方を直します。見た目の修正だけが多いなら、既存テンプレートやブランド制約の伝え方を見直します。
AIツールの小さな試し方全体は、AIツールは何から始める?でも確認できます。
コレダケAIで次にできること
コレダケAIでは、公開記事で構成の考え方を確認したあと、クエストで目的・材料・確認の分け方を短く学べます。入会後は、ひかりへプレゼンの相手、結論、資料、期限を相談し、構成案を作る前の曖昧さから整理できます。
この記事では判断手順までを扱いました。会社別の構成ひな形、コピー用の依頼文、ブランドテンプレート運用、毎回同じ流れにする設定は、会員向け記事やひかりで深掘りできます。
よくある質問
Q. AIにテーマだけ伝えてスライドを作ってもよいですか?
下書きは作れますが、一般論になりやすいため、相手、結論、根拠、時間、次の行動を先に決めるのがおすすめです。
Q. スライドは一枚に一つのメッセージだけにすべきですか?
絶対規則ではありません。主張、根拠、図表が一つの判断へまとまっていれば複数要素を置けます。ページの役割が混ざらないことが重要です。
Q. Gemini in Google Slidesは日本語で複数スライドを作れますか?
2026年7月26日時点の公式案内では、新しい複数スライド生成は英語のみです。対象プランと段階的提供も公式ページで確認してください。
Q. AI生成のグラフや数字をそのまま使えますか?
使わず、元データ、計算方法、軸、単位、対象期間を確認します。出典が確認できない数字は削除するか、確認中として扱います。
Q. どの資料からAIスライドを試すと安全ですか?
まず社内向けの五ページ程度で、承認済みの正式な資料が少なく、本人が内容を説明できるテーマから試すと、修正箇所を把握しやすくなります。
Author
コレダケAI編集部
AI活用メディア編集部
コレダケAIの公開記事編集チーム。AI活用を実務へ取り入れる判断材料を、公式発表と公的機関の資料で確認し、出典・確認日・更新日を点検して公開しています。
出典・確認情報
- Google Workspace Updates: Create fully native and editable presentations with Gemini in Google Slides(確認日: 2026-07-26)
- Microsoft Support: PowerPoint の Copilot を使用して新しいプレゼンテーションを作成する(確認日: 2026-07-26)
- OpenAI Help Center: ChatGPT for PowerPoint(確認日: 2026-07-26)
- 個人情報保護委員会: 生成AIサービスの利用に関する注意喚起等について(確認日: 2026-07-26)
関連記事

研修アンケートをAIで分析する方法|自由記述を次回改善につなげる
研修アンケートを読んで終わりにしないために。AIで自由記述を分析・分類し、次回改善メモへ変える考え方と注意点を整理します。
読む

Geminiで情報整理を始めるには?Gmail・Drive時代の探し方入門
Geminiは、Google Workspace中心の仕事で、探す・読む・まとめる時間を減らす入口になります。まずはGmailやDriveの情報整理から小さく試しましょう。
読む